基礎から押さえるRAID講座 vol.11

あまり使用されないRAIDレベル

各RAIDレベルの特徴について詳しく説明いたします。それぞれのRAIDレベルには、メリットだけでなくデメリットも必ずありますので、ご自分の目的にあったものがどのレベルなのか、良く吟味してみてください。

RAID2【レイド・ツー】

別名:
必要HDD数:最低5台
概要

データ本体とエラー修正用の冗長コードをそれぞれ複数の専用ドライブに分割して記録する方式。データはセクタ単位でなく「bit」「byte」といった容量単位で分割されます。
冗長コードには、メインメモリなどで使用されるECC(Error Correction Code:ハミングコード)という仕組みが採用されている点が特徴ですが、この仕組みはHDDに使用するには過剰であり、動作も遅く、実用的ではありません。
また、データと冗長コードはそれぞれ複数の専用ドライブが必要であり、最小構成の場合でもデータ用2台・修正コード用3台の計5台のHDDが必要となります。
なお、現在市販されているRAID製品でRAID2が採用されているものはほとんどありません。

RAID2のしくみ

[1]-1 RAIDコントローラ上でデータが特定の容量に分割されます。

[1]-2 同時にエラー修正用コード(ECC)が生成されます。

[2] データは複数のドライブに分散して書き込まれ、それと同時にECCが専用のドライブに書き込まれます。

RAID2のしくみ
RAID2のメリット
  • 極めて高い耐障害性(最小構成の場合、同時に2台のHDDが故障しても修復可能)
RAID2のデメリット
  • 冗長コードの計算がパリティよりも複雑で速度面での性能が低い。
  • HDDの利用効率が極めて低い。