バッファローのポータブルUSBが認識しなくなったとご依頼いただきました。
型番はSSD-PG1.0U3-BC、容量1TBのものです。
分解します。
この手の廉価版のポータブルSSDは、中に2.5インチサイズのSATA SSDとUSB-SATA変換基板が入ったシンプルな構成です。
SSDをケースから取り外すと SSD S1T-25ST-7 P/N 31025179 とラベルが貼られていましたが、メーカー名の記載はありません。このポータブルSSD用にカスタマイズされた製品と思われます。
USB-SATA変換基板を取り外して、直接SATAコネクタ経由で接続してみます。
Model BUFFALO 1TB Firmware H220916a Capacity 1TBとして認識します。SMARTを確認すると、使い込んでいたような数値ではありませんね。
NTFSのパーティションが確認できたので、まずMFTが読めるかと読み取り指示を出すと、BUSY状態となりハングアップしました。
リセットするとReadyとなり、今度はLBAの後ろの方を読ませてみると高速で読み取ります。おそらく前方のブロックに大量のエラーブロックが発生しており、近辺のブロックを読み取りさせようとするとハングアップしてしまうようです。ハングアップ動作を抑制するため、ファームウェアの処置ができないか探ってみます。分解してみましょう。
分解すると、一枚の基板が載っていて、半分以上は空きスペースというよくある2.5インチSATAのSSDです。
コントローラにはMAXIOのMAS1102が搭載されていました。SSDのデータ復旧は、搭載されているコントローラーとファームウェアのバージョンに依存します。残念ながらMAS1102の1TB版は2024年11月現在まだ解明されておらず、ファームウェアに手を加えて復旧させるのは不可能で、Busy状態をリセットしながら地道に回収していく以外に方法はありません。SSDのデータ復旧はHDDに比べはるかに困難です。