鮮やかなブルーのVAIO EシリーズVPCEB48FJ、2011年のモデルです。
電源を入れると黒い画面が出て起動しない、という症状で
「ずいぶん長く使っているので寿命かもしれないと」ご来店いただきました。
症状としては典型的な不良セクタの症状で、診断機にかけて全てのデータを取り出すことに成功、
外付けのHDDに書き込んで納品しました。
このVAIOはもう使えませんので、処分とデータ消去をご依頼いただきました。
当社ではデータ復旧が完了し、使えなくなったパソコンの処分、HDDの完全データ消去も
無料で行っております。
データ復旧も完了したことですし、どのようなメッセージが出現して故障に至ったのか調べてみます。
【注意:このような症状のPCは電源のON、OFFを行うと悪化します。
この記事のPCはデータ復旧が既に完了しており、データ消去準備作業時に調べたものです。】
電源を入れるとまず、英語で次のメッセージが出現します
SMART Failure Predicted on Hard Disk.
WARNING: Immediately Back-up your data and replace your hard disk drive.
A failure may be imminent.
Press F1 to continue.
翻訳
HDDのSMART(S.M.A.R.T=HDDの障害検知機能)が障害を予測しています。
警告:速やかににデータをバックアップして、HDDを交換してください。
切迫した障害の可能性があります。
F1キーを押すと続行します。
いまいちわかりにくいので簡単に言うと
「HDD死ぬぞ!!!すぐバックアップしないと本当ヤバい!!!!」
実に切迫したメッセージなんです。
でも、起動できているうちはF1を押して使い続けてしまうんですね。
とにかくF1を押してみましょう。
「自動修復を準備しています」が表示されます
「PCを診断中」とメッセージが変化し
「自動修復
PCが正常に起動しませんでした
[再起動]を押してPCを再起動すると、問題が解決できる場合があります。
また、[詳細オプション]を押して、その他の方法でPCの修復を試すこともできます。」
と画面が切り替わります。
これ、再起動してみても、同じ画面が出てきてループ状態に入ります。
何度も繰り返す人がいますが、絶対に治りません。
治るどころか、HDDが認識すらされなくなります。
なぜなら、これはWindowsの問題ではなく、HDDが壊れたという物理的な問題だからです。
物理的な問題はソフトでは治りません。
HDDを外して、別のPCにつなぎ、SMART情報を見てみます。
【注意】SMART情報を確認するため、別のPCに壊れたHDDを接続した状態でWindowsを起動するとき、
CHKDSK、SCANDISKが自動的に修復を試みようとするときがありますが、ESCを押してキャンセルしてください。
復旧できるはずのデータを壊れたデータとして勝手に破棄してしまいます。
(意味がわからない人は試さない方がいいです。)
「CrystalDiskInfo」というソフトでSMART情報を確認することができます。
「異常」が出ていますね。ID 05の「代替処理済みのセクタ数」が赤くなっています。
これは、どういうことかといえば、
HDDは使用中に不良セクタが発生します。
不良セクタは避けられないものなので、予備のセクタを割り当てます。
予備のセクタ割り当てが非常に多く、危険水準を超えてしまっている状態なのです。
しきい値が50で現在値が1です
しきい値を下回ると危険なのですが下回るどころのレベルではなかったようです。
(というか、代替処理が発生したHDDはそもそも危険)
このように起動画面でSMARTエラーが出ているPCは非常に危険です。
動作しているうちにバックアップを取る、新しいパソコンに入れ替えるなど早急な対応が必要です。