東京都内の義務教育学校より、Terastationのデータ復旧をご依頼いただきました。主に写真などのデータを校内で共有するのに使用していたそうです。
BUFFALO Terastation TS-WX2.0TL/R1 1TBのHDDが2台搭載されたモデルです。写真に2台写っていますが、2台のTerastationを組み合わせて行う「レプリケーション設定」がされていて、1台のTerastationが故障しても、もう1台のTerastationが動き続けるという安全度が高い設定となっていましたが、すべてダウンしてしまいました。
どのような状況だったのかメモを一緒にいただきました。これがあると大変助かります。
メモによると、メイン機はDISK1が故障と表示され、HDDを交換しても認識されずにエラーの表示が出てしまう状態。以前からレプリケーションの「再同期」をしてもエラーになることがあり、使えない文字列が使用されている可能性あり、などのメッセージが何度か出ていたそうです。
また、液晶画面の文字が表示されない状態で、操作もうまくできない状態(確認ができない)だった。WEBの管理画面に入ると、RAIDアレイ1の表示が消えていて「ディスクの再認識」を実行すると、状態の項目はRAID1が表示されるようになったが、RAIDアレイの画面では「エラー」が表示される状態でデータにもアクセスできない状態。
サブ機は、「EMERGENCY MODE」 「NO ARRAY INFO」 が表示され、立ち上がっていなかった。レプリケーション設定がされていたが、うまく動作していなかった様子。ということはサブ機を復旧させても意味がありません。
このためメインのTerastationを中心に調べます。まず、最初に障害を起こしたDISK1を調べると、SeagateのST1000DM010が入っており、診断機に接続して診断するとファームウェアに障害が発生して認識しない状態になっていました。続いて、DISK2のTOSHIBA DT01ACA100を診断したところ、自己診断に不良セクタと処理保留中のセクタが多数記録されていました。
以上から、どちらもあまり調子がよくない2台のHDDで運用していたものが、DISK1がダウンし、それがトリガーになったかわかりませんが、DISK2も運悪くダウンしたものと判断しました。このような場合、単に片側のHDDから復旧するだけではどちらのデータが新しいか不安が残るため、両方のHDDを復旧させて、もう一度RAID1セットを組み上げ、単体のHDDとデータの内容を比較することが重要です。
幸いデータはほぼ完全な状態で復旧できました。そして新たに導入されるNASの機種選定と管理上のポイントなどをアドバイスさせていただき、大変お喜びいただきました。ご用命いただきありがとうございました。