JVC VictorのHDDビデオカメラ Everio GZ-HD537 HDDが動かなくなった

MK8034GAL

ビクターのビデオカメラに内蔵されているHDDが認識せず、保存されている録画データが取り出せなくなった、とデータ復旧をご依頼いただきました。以前に家電量販店の修理コーナーへ復旧を依頼したところ、復旧不可能と診断されたそうです。

JVC Victor EVERIO GZ-HD537
JVC Victor Everio GZ-HD537

型番はGZ-HD537です。通電してみると「カツーカツーカツ―」と連続した異音がします。HDDを取り出して診断してみます。2010年のモデルでHDDムービーとしては末期と思われます。この後急速にフラッシュメモリ化してゆきました。

EVERIO GZ0HD537
JVC GZ-HD537

分解します。上に見える「X X X・・・」の模様の場所にHDDが入っています。これ衝撃吸収を目的としたゴム状の保護材なのですが、劣化して少しベトつきだしています。このため密着して開けるのに苦労します。

分解すると保護材に包まれたHDDがみえる

中のHDDは東芝の1.8インチHDD、MK8034GALです。80GBの容量があります。仕様は1プラッタ1ヘッド、4200回転です。ちょっと特殊なLIFというインターフェース形状ですが、形式としてはIDEです。

HDDは東芝の1.8インチ MK8034GAL

診断を始めます。通電すると何となく回転が安定しない雰囲気です。しばらくすると「カツーン、カツーン、カツーン」「ガガガガガ」という連続した音が聞こえます。

特別な診断モードに入れるか試してみると、診断モードに入れました。ファームウェアデータも確認できます。おそらくファームウェアが入っているエリアが損傷し、ファームを探すためにシークを繰り返し、カツーンという音を立てていたのでしょう。このあたりの正確な診断を行うためには知識と経験が必要です。何はともあれヘッドとプラッタが生きていてよかった。

1.8インチHDDを診断設備につなぐ

お見積りにご承諾いただけたので作業開始です。HDDの回転を安定させ、ファームウェア領域に入り、処置を行ったところ、無事認識しました。やはり不良セクタがありましたが、全体の総セクタ1900万セクタ中97セクタを除きほぼ全領域の回収に成功。組み上げを行ったところ、167個の動画ファイルが検出されました。そのうち2ファイルには不良セクタが含まれていますが動画としては再生できるレベルのものだと思われます。

店頭にご来店いただき、品質チェックのため復旧した動画をご覧いただき、無事納品に至りました。
お客様からは「思い出の詰まったデータでしたので、もう一度見ることができてとても嬉しいです。」と大変お喜びいただけました。私どももこのお言葉をいただけるのが本当にうれしいです。ありがとうございました。

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