復旧技術と復旧設備

データ復旧技術研究への取り組み

初期のPC-3000のマニュアル
初期のPC-3000マニュアル

2000年のサービス開始以来、様々なデータ復旧手法を研究してまいりました。当初は高度な物理障害には対応できず、他の復旧会社を紹介していましたが、2005年にプロ用データ復旧ツール「PC-3000」(ISA)を輸入し、自社で本格的な物理障害への対応を開始しました。いまでこそデータ復旧業界で一般的に使われているPC-3000ですが、当時は存在も知られておらず、取引銀行の担当者に「何か危ないものではないか?」と訝しがられ、送金に非常に苦労したというエピソードがあります。このほかにも、HDD診断装置やクリーンベンチといった、データ復旧に必要な設備を自社内に備えています。

保有するデータ復旧設備

HDD/SSDリカバリーシステム

最新のプロ用データリカバリーシステムであるACE Lab社製の「PC-3000 Express」を導入しています。サービスエリアの修復、ROMの修復、不良セクタなど様々な症状に対応可能です。

クリーンベンチ

アズワン製のクリーンベンチを導入しています。クリーンベンチはクリーンルームと比べコストが少なく済み、ヘッド交換、プラッター移植の料金を低く抑えることができます。

ヘッド移植ツール

ヘッド移植中のHDD

ヘッドを安全かつ確実に移植するためのツールです。精度の高い製品は1ペア十数万と非常に高価です。主なHDDメーカーの主要製品のものはひと通り揃えています。

プラッター移植ツール

プラッタースタンド

ドナーハードディスクへ安全にプラッターを移植するための治具です。

フラッシュメモリ リカバリーシステム

PC-3000FLASH

ACE Lab社製「PC-3000 FLASH」を導入しています。NANDメモリチップから直接のデータ回収が可能です。

MicroSDワイヤリングツール

MicroSDワイヤリングツール

メモリチップを取り出せないMicroSDのワイヤリング処置専用ツールを導入しています。これまで顕微鏡と手ハンダにより、時間も費用がかかっていたMicroSDのワイヤリング処置も低コストで可能となりました。

ディスクイメージ回収設備

ディスクイメージ回収ワークステーション群

HDDに保存されたセクタデータを強制的に回収するワークステーションです。ご依頼のHDDは一旦このワークステーションでセクタ単位でデータを強制回収します。

イメージ・データ回収サーバー

データSOS

回収したセクタデータは外部インターネットから完全に途絶された復旧専用の高速ネットワークでサーバーに保存されます。

論理解析ワークステーション群

データSOS

回収したセクタデータを解析する高速ワークステーションです。よりよい復旧結果が出せるように様々なアルゴリズムを試行しながら復旧を行います。

RAID復旧ワークステーション群

データSOS

RAIDを仮想的に復旧することができる専用ワークステーションです。超高速CPUと大容量のメモリを搭載し、緊急のご依頼にも迅速に復旧可能な能力を持っています。

高速HDDデュプリケーター・イレーサー

HDDデュプリケーター

HDDを高速でコピーする専用機器です。当社では安全のため、削除データの解析作業を行う前に、原本のコピーを行って、コピーでの作業を行います。この装置は「ハッシュ値」を計算して原本とコピーとの同一性を証明できる機能を有しているため、証拠保全にも使用しています。また、データ消去機能を用いてお客様のデータを確実に消去します。

基板修復ワークベンチ

ハードディスクの制御基板(PCB)の物理的修復を行います。電源障害による焼損やチップ損傷など、高度な修復にも対応します。

実体顕微鏡

オリンパス製の産業用高性能実体顕微鏡です。精密な修復作業に必須のツールです。他にデジタルマイクロスコープも揃えています。